近年高騰している初期Lookout! Records作品の中でも、個人的に衝撃を受けたのがこのコンピと続編の「Can Of Pork」。ジャンルなんか関係なしにバークレー周辺にはこれだけ新しく刺激的なバンドがいるのかってことでGilmanは遠く離れたここ日本の少年にも衝撃を与えてくれたのでした。おそらく史上最も影響力のあるパンクのコンピレーションアルバムの1つなのは間違いない。1988年、カリフォルニア州サンフランシスコのベイエリアのシーンのワンショットを見事なまでに閉じ込めた作品。同じく有名なコンピ「Turn It Around」が、そのシーンに火をつけたのであろうが、この「THE THING THAT ATE FLOYD」はそのシーンのピークを詰め込んでいるんだな。Sweet BabyやCringerのようなポップパンから、CrimpshrineやOperation Ivyといったラフなバンドから、StikkyやCorrupted Moralsのようなポップなセンスを持ちながらカラッとしたハードコアを聞かせるバンドに、Neurosisのようなスラッジまでシーン全体をまとめあげてるのがこのアルバムの柔軟なコンセプトだから時を経てもレコードを針を落とすとあの時代のGilman周辺の1シーンが蘇るってわけです。個人的にはこの作品から、ここに収録されているバンドの単独音源などを見かけるたびに同じレコードでも買い占めていくという行為が始まったのでした。それでLeytonvilleアドレスの存在とか知ってさらに気持ち悪い思考力を持つようになるんですけどね(爆)もし誰かにEASTBAYとは何ぞやって聞かれたらCRIMPSHRINEのだけじゃねーよ、まずはこの音源を聞けやと答えるでしょう!のちにFIFTEENに参加することになるLucky Dog aka RichのEAST BAY MUDでのベースラインがかっこいいんだよねとか、そういうことをこのアルバム聴きながら山ほどみんなと話したい。しかも、オリジナルマスターテープからのリマスタリングで音質も遥かに良くなってます。そして何より素晴らしいのがこの音源の利益が全てGilman Street存続のための寄付になるってこと!みんなのサポートがGilmanにちゃんと届くんだ!(O)
CRIMPSHRINE解散後Peteが結成したということで瞬く間に日本でも注目された女性ボーカルラフポップパンクバンドTILTの個人的にはこのアルバムまでで十分な1stアルバム。だってPeteいるのこのアルバムまでだからね(笑)そんなTILTの1stアルバムは中古で手に入れやすいのでわざわざいいかなと思ったら、今作なんとLookout!と共同ってことでLookout!のロゴ乗ってるんで手に入れないわけにいかないんです(笑)しかもDeluxeってなによと思ったら、アルバムの方にはマスター音源をリミックス、リマスタリングして音を分厚くしてくれていてアルバムに収録されなかった1曲を追加、もう1枚のLPにはデモや未発表音源を11曲収録ときてます。新しいバージョンで聴いても”Fool TO Bleme”最高だね(爆)デモって2本あったの知らなかったし、デモの曲の方がPeteっぽいんだね。(O)
SAD GIRLZ CLUB “I THINK I’M READY” 7″
そうなんです、このレーベルただのリイシュー専門レーベルじゃなくて、「THE THING THAT ATE FLOYD」の売り上げをGilmanにドネーションしたりと現在進行形のカリフォルニアシーンのサポートも目的にやってるのです。ということで、現行のサクラメントのガールボーカルメロディックバンドSAD GIRLZ CLUBの3曲入りニューシングルをリリースしました。1stアルバムは以前入荷してましたよ。覚えてますか?ガールボーカルポップパンクファンは大好物なやつです。男女混成ボーカルで日本でいうとLEEWAYみたいで、LIPSTICK HOMICIDEとかTEENAGE BATFOOTも感じさせるし、MIXTAPESやCANDY HEARTSが出てきた頃をほんと一番思い出す音なんですよ。今作も3曲とも満足な出来栄えです。そろそろニューアルバムリリースしてほしい!(O)