interview with Dickie Hammond(H.D.Q., LEATHERFACE, DR. BISON, FATTY JONES, JONES, STOKOE, ANGELIC UPSTARTS)

確かに当時DCバンドに相当影響を受けていたのは確かだよ

H.D.Q. (Hung Drawn And Quartered)はイギリスはサンダーランド州にて1984年に典型的なDISCHARGE影響下のUKハードコアスタイルのバンドとして活動を始め、アルバムを1枚リリース。1986年ボーカルにGollyを迎えると同時に別バンドのようなサウンドチェンジを果たし、DAG NASTYといったDCスタイルのUSサウンドを吸収・消化して、3枚目のアルバムにおいて見事に彼等独自のサウンドを作り上げ、UKエモーショナル・メロディックのパイオニアに昇りつめたのです!そのサウンドスタイル・楽曲だけでも、充分素晴らしいバンドなのに、さらに追い討ちをかけている情報が、ギタリストのDickieとドラマーのLaineyがLEATHERFACEでも同時期に活動していたことです。2008年5月に永らく廃盤となっていた、彼等の出世作とも言える3rdアルバム「SINKING」と4th & ラストアルバム「SOULFINDER」 (DOLL誌上でも、かつてUKメロディック必聴ディスクとして紹介されたアルバム2作品) が、これまたBOSS TUNEAGEから再発となりました。今回、そのギタリストでもありバンド唯一のオリジナルメンバーでもあるDickie Hammondに、恐らく日本初となるインタビューを決行!Dickieと言えばLEATHERFACEのメンバーでもあり(祝、再加入!)、突然ANGELIC UPSTARTSに加入したり、H.D.Q.のボーカリストでもあるGollyとFATTY JONES、JONES、STOKOEといった様々なバンドを結成し音源をリリースしては活動停止を繰り返す、かと思うとABSのメンバーとDR. BISONをやったりと精力的なのか飽きっぽいのか?というファンの頭にクエスションマークを2万7428個も植え付ける活動を続けています。。今回のインタビューは、これまでに聞いてみたかった質問をあれもこれもぶつけてみましたが想像したいたとおり、こちらの質問に対して回答が短い、またはスルーをするので淡白なインタビューとなってしまっています(笑)。再発CDについているライナーノーツも唯一のオリジナルメンバーであるDickieは面倒くさがって書いてくれませんでしたので、今回、回答してくれただけでも奇跡なのかもしれません。。が、回答の中にはH.D.Q.だけでなくLEATHERFACEや彼のこれまでの活動においての貴重な情報が含まれているので個人的にはうれしい限りです!楽しんでいただけると幸いです。

▲2ndアルバムの『YOU SUCK』から3rdアルバムの『SINKING』においては、音楽性がガラリと変わっていますね。DCバンドに大きな影響を受けたと推測出来ますが。日本では、変化があった『SINKING』とその後のアルバム『SOULD FINDER』が一番人気がある作品です。心境の変化等あったのでしょうか?『YOU SUCK』のプロデュースはイアンマッケイでしたが、彼に会ったことによる変化なのでしょうか?そもそもイアンマッケイプロデュースというのは、どのような経緯で実現したんですか?

「その変化は曲を書いている中での自然な成長だと思うよ。確かに当時DCバンドに相当影響を受けていたのは確かだよ。すでにそれまでのバンドのサウンドは行き着くところまでいっていた状況だったから、アメリカのバンドみたいなサウンドを目指したんだ。みんな勘違いしてるようだけど、アルバムにクレジットされているイアンマッケイはスタジオエンジニアであって、MINOR THREAT、FUGAZIのイアンではないんだよ。」

▲.HDQでは、ツアー中どんな国を回りましたか?反響はどこの国が良かったですか?何かツアーで面白いエピソードがあれば聞かせてください。

「HDQとしてはドイツが一番の盛り上がりだったな。LEATHERFACEとしてもだけど。僕の好きな場所はノルウェーのオスローと日本だね。ツアー中の面白い話ってのは、、、HDQのツアー中に、ある時フェリーで移動したんだ。ピルキーってローディーがいて、僕が寝ていたら、僕のブーツを脱がして海に投げ込みやがったんだよ。それがツアーの開始時でさ。その後のツアーは靴なしで回ったよ。」

▲Laineyとあなたは後期HDQの時期にLEATHERFACEと掛け持ちをしていましたよね。先にLaineyがHDQを辞めてLEATHERFACEに専念し始めて、その後あなたも同じようにLEATHERFACEのみにと。何故HDQを辞めてLEATHERFACEに専念したのですか?HDQの解散の理由ってのはなんだったのでしょうか?

「Laineyはライブ前にべろべろになるまで飲み過ぎていたから、HDQとしては彼に辞めてもらいたかったんだ。当時、俺も既にLEATHERFACEでも、やつと一緒にやってたから、後になって別れるべきじゃなかったと思うけどね。90年の12月にLAINEYが辞めて、ツアーに出ることになったんだけど、ラストツアーの前にベーシストとドラマーが辞めちゃって。結局、INSTIGATORSのCuzzyとKeithに手伝ってもらってなんとかツアーはこなしたよ。それが最後だったな。」

▲UKシーンって今、結構大変ではないですか?HDQが現役時代のシーンはどうだったのですか?あなたの目を通して現在のシーンはどう見えますか?

「最近のシーンには属してないから全くわからないよ。好きなバンドはFORMER CELL MATES(現LEATHERFACEのベーシストがフロントマンを努めるバンド。NEWEST INDUSTRYからアルバムをリリースしている。)、MILLOY、SAMIAM、PROPAGANDHIだね。LEATHERFACEでも年に5、6回はライブをしてるよ。」

▲あなたのギターはとてもユニークで印象的です。多くの日本のファンもあなたのギターの音が好きで、あなたのギターの音は一聴しただけで、Dickieの音だってわかるんですよ。影響を受けたギタリストは誰ですか?いつからギターを始めたんですか?

「どうもありがとう!そう言ってもらえてうれしいよ。ギターを始めたのは16歳の時で、Frankie Stubbs(LEATHERFACEのフロントマン)がおれが弾いているギターのすべてを教えてくれたんだ。」

▲GollyとあなたはSTOKOE、FATTY JONES、JONESで一緒にやってますね。なんでバンド名を頻繁に変更しているのですか。毎回の解散には理由があるのですか?

「うーん、Gollyはサンダーランドに住んでいて、おれはロンドンに住んでいる。これらのバンドのプロジェクトが終了したときに、おれたちは子供が出来て、リリースした音源の宣伝のためのツアーをやる時間もお金もなくてさ。結局は、終わってしまったんだよね。おれは未だに曲も書いているんだけど、Gollyは家族の方が忙しくて音楽を続けるのが難しい状況なんだよね」

▲STOKOEの現時点で一番新しいアルバムであなたが歌っていて驚いたんですけど。歌上手いですね。STOKOEはもうやらないんですか?またLEATHERFACEに戻ったって聞いたんですけど、どうですか?何で、かつてLEATHERFACEを辞めちゃったんですか?

「さっきと同じ回答なんだけど、93年にLEATHERFACEを解散したのは、やっぱり子供や家族のことがあったからなんだ。ずっとツアーし続けていたから、おれたちみんな休息も必要だったし。97年にLEATHERFACEが再結成した時に、1年は在籍していたんだけど、おれは抜けなくちゃいけなくて。まあバンドはその後アルバムを3枚リリースしたけどね。2年前に再びLEATHERFACEに戻ったんだ。今は新しいアルバムを録音したいと思ってる。STOKOEは、なんていうかおれ自身のプロジェクトなんだ。自分で書いている曲が増えたら、STOKOE名義でまたやるハズだよ。」

▲前にANGELIC UPSTARTSでもギターやってましたよね。

「4年前にベーシストのGazにやってくれないかと頼まれて、丁度その時、何かやってたってわけでもなくて時間もあったし、ああいったバンドの曲は書けないけれど、喜んで参加したよ。あれは、すっごい楽しい経験だったね。」

▲最近はどういった音楽を聴いているんですか?気に入ってるのはどういったのですか?

「PROPAGANDHI、JIMMY EAT WORLD、SAMIAMの『ASTRY』、『CLUMSY』、『ARE YOU FREAKING ME OUT』、BONNIE PRINCE BILLY、FORMER CELL MATES、MILLOY、MARK KANNEGAN、JOHNNY CASH、名前を挙げると切りがないよ。」

▲最後に日本にはこれまでにLEATHERFACEで2回来てますよね。日本の印象は?、また日本のみんなにメッセージがあれば。

「日本にはまた行きたいと心から望んでる。素晴らしいところだよね。たこ焼きに、日本酒、早い時間に始まるライブ、すっごい高いウィスキー、、、応援してくれていつもありがとう。こんにちは!」

(※このインタビューはDOLL No.252  2008年8月号に掲載されたものです。)

p.s. 2009年の7月にDICKIEに再会することが出来ました。べろべろに酔っぱらっていて、挨拶程度しか出来なかった。しかし、相当な泥酔状態であったにも関わらず、みんなにその日のDICKIEはかなりマトモな方だから話せて良かったねと言われました。確かにDICKIEに関する話は聞いたもの全てがここで書けないような想像を絶する内容だったな(笑)。この時点でLEATHERFACEで次のアルバムにも参加するんだと言ってましたが、ぜひとも実現して欲しいものです。あっこの日のフランキーがすごい機嫌悪かったです。挨拶してもあっそう?みたいな感じ。理由は自分が運転で車で来てて飲めないので、飲めない日はそんな感じらしいです。。。