interview with Naokidz(KAMAMBELS, MUSCLE BEACH PARTY, DUDOOS, NOBODYS, 笛の人)

広島について歌いたいってのもある

NOBODYSでいち早く北欧サウンドを日本に広め、数多くの中毒患者を産み出し、DUDOOSではさらに若い世代にヨーロッパポップパンクの楽しさ(凄まじさ&変態さ)を広めたNAOKIDZが、自分のやりたい音楽をさらに追究する為に結成した一人バンドKAMAMBELS。待望の2ndアルバム『MIZUNO MIJYAKO HIROSHIMA』が登場!フィンランド語と広島弁(!)で歌い、DUDOOSでやっていた独特の世界感を再び繰り広げている。はっきりいって今作は大名盤です!!どう考えても、日本だけでなく世界のポップパンク界の大傑作に仕上がっていると言っても大げさではない。KLAMYDIAといったフィンランドラモーンポップパンクバンドや、ヨーロッパの母国語ポップパンクバンド、今話題のスウェーデンTRALL PUNKファン、そしてポップな70’sオブスキュアパンクロックが好きな人まで丼飯ガツガツ何杯でもいける内容です!

▲まず初めに今年の広島カープについて総括を!

「マジで?!いきなりかよ(笑)。今年は惜しかったね。まぁ、ブラウンの計画で若手が伸びてきてるから来年はさらに期待してるよ。」

▲じゃ、本題に戻って待望の2ndアルバムリリースだけど、原点回帰というか、自分がやりたいことが正直に出てるんじゃないかと。

「DUDOOSはやりたいことを全部詰めようみたいな感じで、逆にシンプルさが欠けてたのかな。でも、あれはメンバー全員のやりたいことの総合的なもので。あえてソロでやるってのは、自分の原点回帰じゃないけどシンプルなパンクをやりたいって思って。ドラム、ベース、ギター、ボーカルだけの最小なバンド形態でやりたいと思ってKAMAMBELSを始めた。今回のアルバムはやりたいことが最初からしっかりイメージできてた。」

▲DUDOOSの時は曲のアレンジからライブパフォーマンスまで、すごい凝っていたよね。KAMAMBELSの1stは今までのNAOKIDZのイメージと逆でポップなんだけど、シンプルでハードな部分や暗い部分が出てて驚いたよ。2ndでは今までのバンド経験のバランスがすごい上手く出ていたというか。

「シンプルなのがやりたくて1stは自分では思い切ってやったんだ。もろKLAMYDIAみたいなのがやりたくて始めたんだけど、まだDUDOOSをひきずってた部分もあったね。2ndは事前に全体のバランスを良く考えました(笑)。」

▲敬語(笑)。今回はこういうアルバムを作ろうってコンセプトが事前にあったんだ?

「うん、あった。曲もこの1年間で作ったけど、最初から一つのアルバムとしてポップ過ぎず暗過ぎずバランスを考えた。」

▲曲作りのところから、すでに考えていたんだ?!

「そうそう、考えたよ。KLAMYDIAを参考にして。なるべく練りに練らずな感じで。」

▲歌詞は音に反して怒りが満ち溢れてるのもあるよね。カルシウム足りてる?(笑)

「実はDUDOOSでも明るく振る舞ってたけど怒りを込めた歌詞が多かった。KAMAMBELSでは、さらに直接感情をさらけ出したくて歌詞についてはバランスとか考えずに思いついたことを書いてる。それと、広島について歌いたいってのもある。」

▲ そう、それ次で聞きたかった!故郷、広島に対する思いを歌ってるのが多いよね。ジャケの写真からそうだし。広島ってNAOKIDZにとってどんな所なのかな?ってか広島で生まれて育つってどうなの?

「うちのばあちゃんも実際被爆してて、小さい頃から当時の話は聞いてるんだ。けど、子供の頃の記憶は広島の歴史としてこういうこと起きたんだってくらいの感じで。おばあちゃんの話もそんなに悲壮感はなくて、ちっちゃい頃はみんなが思うようなすごいことと思って聞いていなかった。小学校に入って平和学習ってのがあって歴史を知って、すごいことだったんだなって思い始めて。でも日本も戦争で海外に色々なことをしたわけだけど、だからといって極一部の人間の損得の為に原子爆弾を使ってなんの罪も無い人々を犠牲にするって事は絶対ないと思うし。日本の中の広島として被害者意識だけでなく、加害者意識も持ちながら一市民の立場でやりたいってのある。頭の中には広島で産まれたからには、やっぱり原爆のことそして平和のことを訴えたいと思うし。それで広島の写真をジャケで使ったりして広島のことを知ってもらうきっかけになれば良いなと思う。」

▲音もポップだから政治的になりすぎないし、押し付けがましいメッセージじゃないところがいいなと思うんだ。

「あまり重くならないようにはしてる。偏らないようにも。」

▲市民球場の建て直し移転については?

「原爆ドームが平和のシンボルとして残すのだったら、広島市民球場は戦後の市民の復旧の支えだったから残して欲しかったなと思うけどね。10曲目の歌詞は広島市民球場について歌ってる。」

▲8曲目の歌詞で「ワシのPUNKは死んでるのか?」ってのはどんな思いから?

「DUDOOSはああいう感じの音だったからおれがパンクで伝えたいことを知らないかなと思って。PUNK=自由な感じだと思ってるから自分の伝えたいことを伝えたい。自分のPUNKへの思いはまだ死んでいないって感じで。」

▲レーベルは自身の七つ星録音ASIAだけど、これは他のバンドを出す予定はないの?

「自分のアルバムリリース前にオムニバスを出そうと思ってたけど、間に合わなかった。なので次はそのオムニバス。地方色を出したものにしたいなと思ってる。」

▲CDRにこだわってる理由は?

「作品を出すってことで、出来るだけ自分で録音して、受注生産みたいに聴きたいと思ってくれている人に自分でCDを焼いてくって作業をしたいなという思いもあって。」

最近の若者に言いたいことは?

「以外と最近の若者は頭のいい子が多いんじゃないかな?可能性がある人が多いと思う。プロ野球選手で見てるだけなんだけど。ダルビッシュとか(笑)。」

▲また野球ネタか(笑)。最近気になってる日本のバンドは何?

「HIP CAT’Sレコーズからリリースされてるバンドかな。全部好きなんだよね。」

▲最近聴いてるレコードは?

「やっぱいつも聴いてるのはKLAMYDIAにRADIOAKTIVA RAKERかね。」

▲そもそもPUNKに興味持ったきっかけは?

「元々はAC/DCみたいなハードロックだったんだけど、高校1年のとき友達にLIP CREAMとか広島のハードコアでGASとかGUDONとか入ったテープもらってそこからんだよね。やっぱ友達経由の地元のバンドからだね。」

▲最後に何かある?

「カープを裏切った新井は許せない(笑)。カープで骨埋めるって言ったくせに!」

(※このインタビューはDOLL No.258  2009年2月号に掲載されたものです。)