8月
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Filed Under (好盤紹介(US)) by KN1

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星の数ほどのレコードをリリースする彼らですが、僕は Wat Tylerのコンプリートはあきらめたけど、J-Churchシングルコンプリートはまだあきらめてません!あらためていろいろ聴くと、僕はどちらかというとCringerの頃のチープで突き抜けたポップチューンのほうが好みの曲が多いのだけど、J-Church の楽曲の心地よさからもいまだに抜け出せない。初めて彼らを見たのは下北沢シェルターで10年以上も前で、そのときはLance以外のメンバーが来日できなかったものの思いがけず豪華な競演だったこともあり、未だに忘れられない。ちょうど The Drama of alienationがリリースされたばかりのころで、その 2曲目、Smell it rotを Blewのカワセくんのベースで歌う楽しそうなLanceの顔、カワセくんは突然呼ばれた割にはコーラスまでバッチリ決めてそのことに驚きつつも嬉しそうなLanceの顔は未だに脳裏に焼きついてる。

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前置きが長くなったけど、なんでこんなことを久々に言いたくなったのかというと、先週 Idea & Actionに行ったときに Senseless Recordsで J-Churchのトリビュートを買ったからなんだよね。これが最高! J-Church/Cringerの素晴らしい楽曲を、これまた豪華なメンツによるカバー集。どれだけ豪華なのかは各自 No Ideaのページとかで見てもらうとして、特筆すべきカバーをいくつかコメント。Datelessは特にひねたアレンジをしてるわけではなく原曲に忠実に演奏しているのに、男女ボーカルが掛け合うというだけでこんなににも違う印象になるのか。彼らの MySpaceのページではこのJ-Churchのカバー含めて他の曲も聴けるのだけど、Unlovablesタイプのガールボーカルポップチューンがかっこいいね。PeabodysはCringerがはまるね。へぼい単弦ギターに激早ではないあわただしいリズムがホントイトオシイ。ex-Krupted Peasant Farmerz の Angry 4 Lifeはやっぱり重くてスカンジナビアの匂いも軽く漂ってくる好カバー。やっぱり僕は Whiskey Sundayの Robより Angry 4 Lifeの Robのほうが好きだなぁ。A Radio with Gutsは Ex-Connie Dungsの Brandonの声だけで前世紀のポップパンカーである僕はノックアウト。日本からはいまや飛ぶ鳥を落とす勢いの Blottoが参加。BlottoとCringer? なんてあまりイメージもわかずそんなに期待してなかったんだけど、聴いてびっくり!あのCringerを見事なまでに Blottoなラフポップパンクにアレンジ。お世辞抜きに一番かっこいいかも。他にもたくさん30曲も入っていて、書ききれないのでこの辺で。

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J-Churchの曲で僕が一番好きな曲は Panama。(上記カバー集では Parasitesがカバーしてます。)歌詞と音が一体となってぶつかってくる。Damaged Goodsからの10inchのタイトルにもなった、フレーズはいつ聴いても心に響く。A million broken stereos are stars in the sky. Cringerの一番好きな曲は Burn Down the Forestなんだけど、誰もカバーしなかった。これは Allied Recordingsの #3 VAに入ってます。これは森林自然環境破壊に訴える VA 7ichで、Antichism, Nausea, Cringerのほかに現在Green Dayのドラムが在籍していたLookoutsも入っているので海外で探すと大変かも。曲はこの音源のレコーディングのときにしか成功しなかったという逸話もある、文字通りのイントロ奇跡の単弦しょぼいギターが血を沸かす名曲。

最後に今回紹介したLet’s Do it for Lance! のインナーに載ってた文章を和訳転載します。持っている人はそのまま読めばいいだけなので興味がある人だけ Read More ボタンを押してください。

2006年7月、ツアー中だったJ-ChurchのLance Hahnが突然重病に臥した。それはツアーをキャンセルしテキサスへ緊急に帰宅、入院することを余儀なくされるほど深刻だった。そしてその病院で騒然たる知らせを聞くことになる。

第一に心臓の重度の異常、第二に腎不全。医者はいかに深刻な状況であるか、このままではいつ息絶えてしまうかもわからないということを強調した。ペースメーカーを必要とするかもという事実に直面し、彼は別の医師の診断を求めた。その医師はより楽観的で、薬物療法で心臓も制御できるようになると伝えた。ありがたいことに療法は効果があった。

彼はまだ何度も手術を受けなければならない状況にあった。彼は現在透析療法を続けながら腎臓移植を待っている。全ては順調に行くのではないか、と思ったとたんに状況は悪化する。

医療費の請求が押し寄せ始めたが、彼は保険に加入していなかった。というのもツアーに出るためにパートタイムの仕事しかしていなかったから、今までに一度も保険には入ったことはなかった。そこでかれは診察費を払うために個人所有のレコードをeBayで売り始める。ちょうどこの頃に僕は彼のために何かしなくちゃと決心した。

僕はベネフィットCDのリリースを手助けしてくれるレコードレーベルを探し始めた。ほとんどのレーベルが僕のことを良く知らなかったこともあり、最初はなかなかいい返事が得られなかった。すでに僕の考えに同意してくれる6つのバンドが見つかったが、いわゆる大物と言われるようなバンドにも声をかけられればといわれた。

思ってたよりもかなり時間がかかったけど、リリースされることに非常に興奮してる。待ち遠しくて気も狂わんばかりであったそのアルバムがいまここにある。最初に聴いたときの、得も言われぬ聴覚の快感。これがそのアルバムなんだ。待ち焦がれる日々も終わった。お気に入り音源用のスペースを整理して、このアルバムを入れよう。絶対にこのアルバムは気に入ってくれると思う。だって僕らもみんなすごく楽しんで作ったから。Enjoy!

Chad Riley Feb-2007


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