5月
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Filed Under (2.FavoriteRecords, 好盤紹介(JPN)) by wsrecords

MALEGOAT “TO FACE THE MUSIC” CD

前作”PLAN INFILTRATION”からすでに5年ですか。その間にコンピに参加したりSHOUT MOSKVAとのスプリットなんかがありましたが待ちに待った単独のまとまった音源が登場!ライブ等でお馴染みの曲なんだけど、こうやってまとまった音源で聴くと彼等の成長っぷりの凄まじさがわかる。他でも絶賛されていますが確かに素晴らしい。前作リリース時にも書いたけど、ジャンルとかどうでもいいでしょう?

CAP’N JAZZ、BRAID等といったMID 90’sエモから多大なる影響を受けつつも、USインディー等も昇華したサウンドは、アメリカのALGERNON CADWALLADERにも通じる単純にMID 90’sエモの焼き直しではなく進化したサウンドを奏でているのだから2009年両者がアメリカでツアーをしたのも必然だろう。
1曲目は幕開けにふさわしいパンチの効いた出だしから始まり、自然とハンドクラッピングせずにいられなくなるアッパーな曲。個人的には19秒目で飛び出てくるタナベのコーラスがポイントだと思う。これが決してエモというステレオタイプに見られがちな内向的というイメージを覆すところだと思う。メロディック派な人にとっては一瞬出だしはEVERSORかよと突っ込まずにいられなくなるだろう(笑)。
完全に勝手に踊り始めちゃう2曲目”CHANGE WITH OUR TIME”は、ダンサブルと艶かしいリズムが交互に繰り出されるAメロの時点でこれまでのMALEGOATにはなかった成長の部分。なんか西東京なのにアーバンwww サビが一瞬ディスコっぽくなるところも夜のネオンライトが頭に浮かぶ(笑)。
3曲目はすでに知ってる人も多い”EXPRESSION”。”HERE COMES THE BOTTOM LINE…VOL.3″に収録されていた作品を再録。スピードもあがってクオーキーな感じも向上して緊張感もあがってる。この曲はうちの映像担当FxBxMが編集したライブがyoutubeにもあがってるので見て欲しいな。
“YOUR LIFE”はマスロックに傾倒した彼等が産み出したテクニカルな楽曲。1:18以降の展開はロブ・クロウ的なひねくれた変態性を感じるけどどう?
そして後半戦突入前にインスト曲”IGNORE”。今回初となるトランペットを導入している。トランペットを吹いているのはマキッチョ(ex-ELMOC、現ICECREAM MAN)。トランペットなしだと、初期のTRISTEZAやALBUM LEAFを思わせる壮大な世界。映像音楽っぽいおしゃれなインスト。けれどもこういったインスト曲もMALEGOATの魅力だと思う。こういう曲がライブでも入ることによって他の熱い曲との対比がくっきりしてテンションあがるから。
さあ、リラックスしたところで”TIME PASSES”へと自然に流れていく。インストなメロウな感じを残しつつも、左右に揺れる感じが気持ちいい始まり方。「静けさは明らかにそこにあるんだ」というサビの歌詞と上手く合うメロディーが前面に出たMALEGOATの新境地じゃないかな。メロディー自体だけで考えると前身バンドRADIOGRAMを自然に思い出した。
うわーこれは最強なギター2本の絡みでしょう。そしてウィスパーボイスw “TYDING”のサウンドは完全に別世界。シューゲイザー通過後のUSエモとBUILT TO SPILL、MODEST MOUSEなんかのUSインディーロックからの影響も感じられる。またここで再度登場するトランペットが効果的。完全に深夜一人で疲れ切った気だるい感じで夜景を見ている、もしくはろうそくの明かりで佇んでいる感が似合う曲w ラストっぽいね。でもこれで終わらない。
ラストはまた再びテンションをあげてくるのがMALEGOAT。”MY BLUES”といった再びダンサブルなリズムで締めてくれるのでした。
結構さらっと聴けちゃうんだけど、実はと言わなくても、ギター二本の絡みや、ベースの動きにドラムの跳ね具合等高度な技術をさらーっとやっているんだよ。
この音源では旋律の美しさが際立っているけど、ライブではハードコア経由の激しさを兼ね備えているんだから彼らのライブを見ないのはもったいないと思うよ。よくぞここまで成長したなとため息が思わず出てしまった。この文章を読んで少しでも興味を持ってくれたなら、聴いてほしいと思う。そして音源とは違うライブも見て欲しい。その価値のあるバンドだと個人的にはずっと思ってるんですよ。
(収録曲)
1. matured sense
2. change with our time
3. expression
4. your lie
5. ignore
6. time passes
7. tidying
8. my blues
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