7月
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7inchレコードというフォーマットはそれ自体他の媒体とは異なる特殊なパワーを持っているのだけど、Split 7inchは1+1が10にも100にもなるような魅力を持っているよね。CDと違って、今からこっちのバンドを聴きマースって自分の中のスイッチも入るし。確かに片方のバンドを目的で買っていままでまったくノーマークだったもう片方がえらいかっこよかったなんてことも多々あるので、ぜんぜん違ったバンドのスプリットも好きなんだけど、同じような音のバンドがそれぞれの個性を放出しながらバトルするようなスプリットは、各バンドの単独音源以上の魅力を放つことも少なくない。そんなことをぼんやり考えながら、ちょっと前までは 1/4くらい残ってたような気がした Smirnoff Vodkaがなくなりそうになっているところを寂しげ見つめながら今思いついた3枚のスプリット7inchを紹介。

Reverse / Exit Condition
UK Melodic対決。初めてこの音源で Reverseを聴いたんだけど、抑揚にとんだスピード、圧倒的な哀愁のメロディーに押しつぶされそうな衝撃をうけた。Exit Conditionもハードドライヴィンなちょっぴりメタリックなギターな1stアルバム路線のStrong & True、完全に別次元への進化、深化を遂げた激渋メロディーが印象的なFurnanceを収録。

Weston / Digger
Pennsylvania Pop Punk対決。Westonはいずれもこの後にリリースされるアルバムに収録されている曲なんですが、やっぱりこの切ないポップソングは誰にも負けない。Eat Magazineのレビューで栄誉ともいえる0点を取った初期のアオッチョロイ薄っぺらな魅力ももちろん素晴らしいのだけど、この頃の成熟した楽曲センスもまたちょっぴり趣きは異なるかも知れないけど、スピードに頼らない分メロディーのよさが前面に出て、胸を締め付ける切なさが素晴らしい。スプリットシングル収録曲を含むこの後のアルバムの直後のFOEのコンピに参加するまでの頃の Westonは、僕の中での US Pop Punkの最高峰。Diggerもこれまた1stアルバム路線の最高の2曲で文句なし。1st~この辺のスプリットまでのDiggerは最強だね。Westonから流れる胸キュンポップメロディーにこの心躍るスピード感。僕みたいなカラービニールジャンキーは頑張ってホワイトビニールを探してください。

Psycotic Youth / Riches
Bubblegum Pop Punk対決。僕はPsycotic Youth目当てで当時購入したんだけど、やっぱり彼らの音源ははどれもはずさない。Sonic Surf Cityと双璧をなしここでも他の追随を許さない相当クォリティーの高いキラキラビーチポップパンクをぶちかます。それでここで見逃せないのは Richesの 1曲目 I’m Free。ポップで切ないメロディーで、夏真っ盛りというよりは夏の終わりを感じさせるようなサウンドですが、Psycotic Youthサイドに全く引けを取らない楽曲。歌詞はよわっちくてしょぼいんだけどね。これからの季節に一家に一枚必ず常備しておきたいと改めて認識。

split7.jpg

うまい具合にUS, UK, EUROと分かれたのですが、これは偶然です。


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