「LOVEMENとぎりお」
正直、90年代初頭に日本にメロディックパンクが最初に浸透したのはSNUFF、LEATHERFACE、MEGA CITY FOURに影響を受けた国内のバンドの活動のおかげだったろう。あの当時のライブハウスは今じゃ考えられないほど多くの人でどこも溢れかえっていて、いく つものライブハウスを一晩でハシゴして回るのも普通だった。でも、なんでだったんだろうと振り返ると、やっぱり身近の同世代のバンドが自分と同じようなバ ンドが好きでやっていたからじゃないだろうか。
当時はバンドブームが続いていて、GREEN DAYからのEPITAPH、FATの炸裂でメジャーレコード会社の参入は当然のことながら、本業は別の業種の大企業まで嘘っ子レーベル立ち上げてまで参 入してきていたメロコアバブルなわけで海外からのバンドは今のようにDIYツアーで来てるわけじゃなくて、大きなイベンターがツアーをやっているからなん かやっぱり外タレ的にこっちも構えてしまっていたし。会場もLIQUID ROOMとかでかかったしね(当時は歌舞伎町だったね)。そんな状況の中だったからこそやっぱりライブハウスで活動していた国内のバンドには親近感を感じ たし、色々とお互いの考えを話したり、最近買ったお気に入りのレコードについて一緒に語ったりできていたのが面白かったのかなと思う。今でもライブハウス 周辺では同じような環境だけど規模(人数)が違ったというだけなんだけどね。それまで個人的にライブって言うと、好きなバンドを見に行って終わったら一緒 に行った友達と話しながら帰るって感じだった。けれども、この時期からは変わったと思う。バンドをやっている人だけではなく、ライブに来ている人もファン ジンを出したりして、あっ別にそれぞれが好きなことをやればいいんだって思えたわけで。だもんで、クラブでのDJイベントも盛んにあってそこにまたそうい うバンドも出演したりするわけで、なんだろう音楽が好きな人がどっぷりそこに浸れる感じだったのかなと思う。自分が暇だったという話もある。
そんな中でLOVEMENはボーカル/ギターのブンさんの存在がちょっと上の世代であったこともあり、かっけぇなと憧れの存在でもあった。かつて自分がやっ ていたバンドでもLOVEMENに憧れて作った歌があったぐらい。あまりにそれはパクリすぎててボツになったけどね。打ち上げで勇気を出して初めて話しか けたことを今も覚えている。恐らくあの曲が好きなんですってことを伝えたんだと思うけど、何を話したかははっきりと覚えていないけど緊張していたことは はっきり覚えている。でも、笑顔で気さくに返してくれてあれっこの人見た目より怖くないって思ってその後は話しかけられるようになった。でも怖かったけど ね(笑)。そんな俺個人の出会いはどうでもいいんだけど、やっぱりLOVEMENの魅力は誰にとっても、そのサウンドにあるんじゃないかな。SNUFFY SMILEの『NOT SUPERSTITIOUSコンピ』7″初めて聴いた時まじでビビったもんな。出だしのSNUFFを思わせるイントロの時点で虜になったな。それに LOVEMENはあの当時の他のどのバンドに比べてウタをちゃんと歌えているというのがでかいんじゃないかな。さらにLOVEMEN結成までにブンさんと 横井さんは他のバンドでの経験も豊富だったから演奏力もあったんでレコーディングのバランスもずば抜けてるでしょ?それはでかいよね。もう一つの要素は、 メンバーもどんどん新しいレコードを掘っていく人たちだったから同じことを繰り返さずに、吸収したものを加えていったから、メロディーが金太郎飴状態に なっていない。だからLOVEMENの音源はコンプリートしていく中で、あっこう来たのかと考えることが出来、共感も出来てありがたかったし楽しかった。
1stアルバムまではもろにUKメロディックのリアルタイムのバンドともシンクロしていてREVERSEなんて逆にLOVEMENに影響受けてるでしょ?って思 うし、俺の知ってる限り未だに当時からのLOVEMENファンはイギリスにかなりいるし、アメリカにもカナダにもいる。特に1stアルバム収録曲で今だか らこそ思うのは「WALK」のアコースティックバージョンを収録してるとこ。吉田香織さんがゲストボーカルで歌っているこのバージョン、サウンドだけで思 い浮かぶのはまさにアナーコメロディックじゃねえかと!そして2ndアルバム以降はUKメロディック路線だけでなくJAWBREAKER、FUELを始め としたリアルタイムなUSメロディックからの影響を奏でていて、けれどしっかりとしたLOVEMEN節を保っているのはホント驚きです。それからその後の 音源では、あの時代まだ盛り上がっていなかったエモな音も取り入れているんだよね。PROMISE RINGやBRAIDに激情系もあって後のLONGBALL TO NO-ONEへと続く繋がりも今になると気づくんだけど。余談だけど、この時期は結構エモなんてパンクじゃねーっていう否定派との下らない論争も色んなと ころで多く飛び交いましたね。ホントにどうでも良かったんですけどね。ちょっと堅苦しい時代がありましたってだけのこと。だからそんな状況の中、自分が好 きなモノを取り入れていくLOVEMENのサウンドには勇気づけられましたね。自分が良いと思うものは聴いていいんじゃないかというあまりにも普通のコト なんですけどね。
今回自分たちがこうして自分が好きだった憧れのバンドを再び世に送り出すことができるわけですが、何が嬉しいかってスプリット7″までも一気に聴けるんです よ!7″というフォーマットへの愛着はもちろんありますよ。今だってひっくり返しながら聴いてますからね。けれどやっぱり好きなバンドの全音源をリマスタ リングしながらまとめられる作業って最高の喜びです。LOVEMENのディスコグラフィーに携わることが出来るなんて当時ライブ見に行っていた俺では想像 出来ませんからね。んで、やっぱり一番やりたかったことも実現したし。それはメンバー全員と当時のことを振り返る作業。これまでLOVEMENに対して自分で疑問に思っていたことを色々聴けた作業が本当に楽しかった。この時に、メンバーそれぞれ今は別の道を歩んでいてもLOVEMENに対しての特別な思い が本当に伝わりました。こういうバンドをやれていたんだって羨ましいなって正直に思った。今回のリイシューを一緒に制作してくれたLOVEMENの全メン バーのみなさん。それからSNUFFY SMILESの栄森さんありがとうございます。
あっ余談ですが、なんでリイシューに至ったかというとブンさんがTwitterでマスターが戻ってきたとつぶやいたからです!SNSすっげーーーーーーー(笑)じゃ、LOVEMENのリイシューCDについているインタビュー楽しんでください!
by ギリオ
「そして再発へ」
全てが揃った過去の音源をDATから落とす作業をしながら改めて音源を聴き直したが、古臭さを感じない音楽だった。それってなかなかない事ですよね?俺がLOVEMENを聴くようになったのも2000年初頭にsnuffyのディストロで買った2ndアルバムからだし、バンドは解散してたからもはやこの音源にしか思い入れはない。ただのクソ新規ですよ。でもこのアルバムは全曲口ずさめるくらい聴いた。その後は他の音源も揃えたが、基準は2ndなんでなんでこの音源だけこんなに歪んだギターにしたんだろう?とずっと疑問だった。ブンさんと喋るよになったのもSECT/IDENTITYの来日にLONGBALL TO NO-ONEが出てくれたのが切っ掛けだったし。俺はもはや“優しくなった”ブンさんしか知らないので喋りにくいなんて感覚は全くなかった。数々の無礼お許し下さい。まそんな小難し壁がなかったお蔭でLOVEMENの再発に繋がったんだと思うしね。だってツイッターで流れてそれに気づいたギリオさんだって数日ほったらかしてたし。ツイッターをやってなかった俺はまだ誰もレスしてないよと聞いてこんなの直ぐに言わなきゃダメだろ!と思って直ぐ電話しましたよブンさんに(笑)『本当に出したいの?』って半信半疑で聞かれたけど出したいに決まってるじゃないですか!ですよ(笑)行動あるのみが生んだ結果メンバー全員が超久々に揃う中での思い出話を聞くことが出来たのは楽しかった。皆さんよく覚えてらっしゃる。日本で最初?にGORDON SMITHのギターを手にしたバンドに聞きたいたいことに山ほどあったし。今回の再発にあたって俺は当時のまんまのオリジナルの音源を出すのが良いと考えていた。やっぱりオリジナル音が本物だし。がしかしブンさんは違った。それはLOVEMEN解散後も唯一バンドを続けてるだけあって進化した音への追及なのか“今”の技術で音にしたらどうなるのか?それをしなきゃ意味がないと。なるほど。ブンさんの希望を聞きつつ直しては聴いて貰い、やり直しては聴いて貰いを繰り返す事数回。生まれ変わった音源集が出来ました。結果は手にした皆さんがそれぞれ比べて貰って賛否して貰えれば再発した甲斐があるってものです。
レニーa.k.aブラッキー
WS124: LOVEMEN “1993-2000 ch.1” 2CD
※2015年1月21日リリース予定
※初回盤限定デジパック仕様
※全曲リマスタリング
※1stアルバム全曲に廃盤スプリットシングル提供曲、コンピ提供曲収録、デモ音源収録
※LOVEMENディスコグラフィーリリース作品の第一弾
※メンバー全員との当時を振り返った対談掲載のインサート付き
メロディックファンが狂喜のリイシュー最終兵器ついに実現!日本のメロディックパンク黎明期を導いた伝説のバンドLOVEMENのディスコグラフィーリリース作品が2枚の作品でリリースします。これはその第一弾!
今 作は記念すべき1996年にSNUFFY SMILEからリリースされた大名盤にしてその後の国内メロディックの指針を築いた1stアルバム「december」全音源に、SNUFFY SMILEのリリース作品にLOVEMENがBLEW、SPROCKET WHEEL、MIDDISHADEとともに初めて登場したコンピ「NOT SUPERSTITIOUS」収録曲、コンピレーションアルバム「SCUM」収録曲、海外ではBROKEN REKIDSから「PEACE AND LOVE」としてもリリースされたコンピレーションアルバム「ULTIMATE SLOW BEATS」といった激レア作品、EXIT CONDITIONとのスプリット・シングル提供曲、SNUFFY SMILEのコンピ「BULLSHIT DETECTOR」収録曲。そしてボーナスで多くの人が存在は知っているものの手にすることは難しくメンバーも最初は収録を拒んだものの説得に説得を重ねついにOKが出た1stデモテープ全曲も収録となっています。
※リイシュー盤はアーティストの意向により歌詞は掲載しておりません。
(収録曲)
-december CD (1996)-
1. belive in me
2. dear
3. our rule
4. gray
5. crowd
6. still in time
7. at 25 a.m
8. walk
9. superstar
10. inst
11. how lonely
-V.A. NOT SUPERSTITIOUS “WE CAN LiVE WiTH iNDECiSiON” 7″ (1994)-
12. my girl
-split w/EXIT CONDITION 7″ (1994)-
13. empty things
14. walk
-V.A. SCUM CD (1995)
15. true smile
-V.A. ULTIMATE SLOW BEATS CD(V.A. PEACE AND LOVE CD) (1996)-
16. fadin’ light
-V.A. BULLSHIT DETECTOR CD (1997)-
17. upside down world
18. flower
-bonus disc-
-1st DEMO cassete-
1. fadin’ light
2. happy enough
3. rucy
4. my girl
WS125: LOVEMEN “1993-2000 ch.2” 2CD
※2015年2月25日リリース予定
※初回盤限定デジパック仕様
※全曲リマスタリング
※2ndアルバム全曲に廃盤スプリットシングル提供曲、コンピ提供曲収録、デモ音源収録
※LOVEMENディスコグラフィーリリース作品の第二弾
※メンバー全員との当時を振り返った対談掲載のインサート付き(”1990-2000 ch.1″からの続き)
メロディックファンが狂喜のリイシュー最終兵器ついに実現!日本のメロディックパンク黎明期を導いた伝説のバンドLOVEMENのディスコグラフィーリリース第二弾にして完結編!
今 作はLOVEMENがイギリスツアー2回、イタリアツアーと世界を駆け回った時期にリリースされた音源をまとめた作品。disc 1は1997年にSNUFFY SMILEからリリースされたこちらも大名盤2ndアルバム「children eat a nightmare」全音源に、HOOTON 3 CARとのスプリット・シングル提供曲、それにEVERSORとのスプリット・シングル提供曲、SERVOとのスプリット・シングル提供曲、THE TONE’とのスプリット提供曲でもありEVERSOR、THREE MINUTE MOVIE、BRAIDとのツアー音源に収録されていた曲(同曲ですがTHE TONE’とのスプリットリリース時にはレーベルが曲名を間違えて表記したため曲名が異なっています)。そして今作にもボーナスで多くの人が存在は知っているものの手にすることは難しくメンバーも最初は収録を拒んだものの説得に説得を重ねついにOKが出た極初期の2ndデモテープ全曲も収録となっています。
※リイシュー盤はアーティストの意向により歌詞は掲載しておりません。
(収録曲)
-children eat a nightmare CD (1997)-
1. drive back
2. line
3. flower
4. sleep
5. scenety of town
6. voices
7. spring
8. children eat a nightmare
9. white
10. upside down world
-split w/HOOTON 3 CAR 7″ (1997)-
11. voices
12.desire
-split w/EVERSOR 7″ (1999)-
13. river
14. close monday
-split w/SERVO 7″ (1999)-
15. day of summer
16. her concern is weather tomorrow
-split w/EVERSOR、THREE MINUTE MOVIE、BRAID CD (1999)-
-split w/THE TONE’ 7″ (1998)-
17. for life…(…this life/RUGGER BUGGERのSEANのミスでタイトルが変わってしまいましたが、同じ曲ですw)
-bonus disc-
-2nd DEMO cassete-
1. love slave
2. tell me way
3. heaven’s know
4. grey
5. old days
ご予約はまだまだお待ち下さいね!