POHGOHが再び日本にやってくる!これってすごいことだ。2019年9月に行われた初のJAPAN TOUR。多発性硬化症と日々対峙しながらも、ステージ上では車椅子ながら大変な難病と対峙しているとは思えないほどの圧巻のステージパフォーマンスを毎晩見せてくれたSusie。その裏、ライブ後の夜中に体に痛みを感じている姿を目にすることもあったから、何事もなく大成功にツアーを笑顔で終えることができたときにはほんとうれしかった。
前回のツアーでは各地でライブを見た人の口コミがSNSでシェアされて、日に日にたくさんの人が会場に集ってきてくれたのもあのライブを体感したら当然だったと思う。まじでSusieのステージ上での存在感はすごい!それにキース、ブライアン、マットの息のあった演奏も緊張感があり素晴らしい。毎晩、ライブを見ていた俺も圧倒されていたしね。彼らはとてもストイックに1本1本のライブを最高の状態で行えるように日々準備していたのも印象的だった。
ドラマーであり、POHGOHのリーダー的存在であるKeithとは、ハジメはフロリダに会いに行ったりもしてるし、俺も頻繁にやり取りをしている。前回のツアー中もメンバー全員、周りへの細かい配慮を決して忘れることはない人間性だったこともより彼らのことを好きになった理由だ。
実は、前回のツアー以降、再びSusieの症状が悪化したこともあった。でも、安心してほしい。現在は安定している。だから、このタイミングで再びの日本ツアーをハジメが組んでくれた。本当に最高のタイミングだよ!
彼らのニューアルバム「du und ich」は、希望に満ち溢れた作品。聴いてるだけで、励まされるような曲が並ぶ。もちろん、Susieの手掛ける歌詞は闘病についてのこともある。でもその内容に触れると「どこからが私でどこからが私なのかわからない 」、「あきらめと怒りが交錯する」といった本人でなければ本当に理解できない苦しみも素直に吐露されているが、最終的には「何だっていいわ、だって生きていられてるんだもの」と、ポジティブなメッセージを打ち出している。だけど、この歌詞って普段の生活で感じている不安や迷いにどう対処していくかってことにも重ね合わせることもできると思うんだ。だから、悩んでいる時はやるっきゃないなと、彼女のメッセージは俺の背中を推してくれ心を奮い立たせてくれる。
いよいよ、彼らの2度目の日本ツアーが行われる。前回のツアー終了後のインタビューで日本にまた来るって約束してくれてたけど、本当に来てくれるとは!前回、予定があったりして彼らのライブを体感することができなかった人はなんとしても今回は体感してほしい。もしもPOHGOHを聴いたことがない人であっても、ライブを見たら絶対に引き込まれると思うよ。
今回のツアーにも俺は同行させてもらう。彼らと少しでも時間を過ごしたいから。ぜひ会場で会いましょう!
彼らのヒストリー的なことは前回の来日のときに記したので、興味のある方はリンク先を読んでください(https://watersliderecords.com/staffblog/2019/05/17/pohgoh%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc2019/)。
-Pohgoh Japan Tour 2024-
2024/05/22 (Wed) Tokyo @ Shinjuku Nine Spices
(共演)
toddle
Open 18:30 / Start 19:00
Adv 4500円 / Door 5500円 (学割あり)
2024/05/23 (Thu) Osaka @ Conpass
(共演)
CARD
Fireplay
Open 18:30 / Start 19:00
Adv 4500円 / Door 5500円
2024/05/24 (Fri) Nagoya @ Stiffslack
(共演)
CARD
Trooper Salute
Open 18:30 / Start 19:00
Adv 4500円 / Door 5500円
2024/05/25 (Sat) Tokyo @ Nishi-Eifuku Jam
(共演)
タテタカコ
CARD
shuto
Open 18:00 / Start 18:30
Adv 4500円 / Door 5500円
2024/05/26 (Sun) Tokyo @ Shimokitazawa Era
(共演)
CARD
PEAR OF THE WEST
DIMWORK
Open 17:30 / Start 18:00
Adv 4500円 / Door 5500円
チケットはこちらから e+
最後にアルバム「du und ich」の国内盤に掲載した彼らとのインタビューを一部アップします。
やあ、みんな久しぶり!まずは日本ツアーの感想教えてもらえるかな。アメリカとの違いもあったと思うけどどうだった?まだまだ日本はどこもユニバーサル対応が行き届いてなくて、車椅子での移動に不便な点は申し訳なかった。
キース:「2019年の日本ツアーが俺たちにとって初めて日本を訪れる経験だった。だから全てが夢のようだったよ。比べるものなんてないくらい、信じられないような経験だった。どの公演や会場でも、みんなすごい親切で歓迎してくれていたし。アメリカ国内だと自分たちのドラムセットやギターアンプとか、全ての機材を全部バンに詰め込んで移動しなければならないのに対して、日本はどこの会場にもそういった機材が全て用意されていたね。ギターとベース、それにドラムの機材を会場に少し持って行けばすぐにライブがやれる環境だった。これは、僕らにとっては、初めてのことだったからちょっと奇妙な感じだった(笑)」
Pohgohを結成した当時って日本ツアーとか夢みたりしてた?
キース:「ない、全く考えもしなかった。ってか、再結成前なんて全米ツアーもしたことないし、行ったとしても東海岸や北東部や中西部だけだったしね。だから、20年以上経ってから、90年代に作った曲をやるなんてシュールな話のようだ。」
日本ツアー中の印象的な思い出ってある?
スージー:「全部が素晴らしい思い出だったから1つ選ぶのは難しい!食事も最高だったし、出会った人たちも最高だった。日本の裏側のフロリダから日本までたった14時間しか離れていないっていうことを、今まで1度も考えたことがなかったわ。」
ブライアン:「移動中に高速道路のSAに立ち寄った時に大きな公園が併設されてたよね。確か、その日は「敬老の日」だったと思うんだけど、その公園には多くの家族連れがいた。小さな小川があって、小さな子供たちがそこで遊んでたんだけど、みんな手を止めて俺を見ていたのを覚えてるよ(笑)」
マット:「一言で言えば「食」!特に深夜の居酒屋でのごちそうは最高だった!それと、俺たちが日本でとても受け入れられたことは、とても驚いたし、同時に謙虚な気持ちになった!こんなにたくさんの人たちに思っていてもらえたなんて想像もしていなかった!」
でも、前作『Secret Club』をリリースしてから、アメリカでもバンドを取り巻く環境は大きく変わったでしょ。MineralやJawbreakerとのツアーも行われたけど、この変化を自分たちではどう捉えている?
キース:「2018年と19年は、個人的にもプロフェッショナルなレベルでも、バンドにとって間違いなく信じられないような出来事の波が押し寄せたな。20数年ぶりのツアー、数ヶ月の間にMineralとJawbreakerとのツアーに招待されたり、そして、もちろんハジメが日本ツアーをオファーしてくれたことなどね。その後、コロナパンデミックが起こって、物事は止まってしまったけど。2019年のそのナチュラルハイの段階から、落ち着くまでは大変だったよ。」
そのMineralとJawbreakerとのツアーで面白かったエピソードはある?
キース:「Jawbreakerの何十年ぶりかの公式ツアーに参加するようオファーをもらったことは、マジで驚きだった。今だにこの件については少し驚いてるよ。Jawbreakerのみんなに出会ったり、素晴らしいサウンドシステムとプロフェッショナルなスタッフがいる会場で演奏できたことは、本当に素晴らしい経験だったと思う。あんなに大きな会場で、毎晩たくさんのお客さんの前で演奏することは、今後の人生において二度と経験できないことだと思うし。すごい興奮したし、身が引き締まる思いだったよ。長年演奏してきた小さなライブハウスの会場や、DIYスペースとは、間違いなく一線を画していた。Jawbreakerはとてもフレンドリーで俺たちを受け入れてくれたんだ。ドラマーのアダムとは、今でも定期的にやり取りしてるんだ。」
マット:「ライブは最高に楽しかった。つまらなかったことを強いて挙げるとすれば、Mineralとのツアーの時に、マイアミからオーランドに向かう途中、7時間の渋滞に巻き込まれたことくらい。」
アルバム「du und ich」のこと話そう。このアルバムで歌われている歌詞は、スージーのMS(多発性硬化症)との戦いや、コロナのパンデミックを通じて起こったアメリカ国内の分裂についてや。あと、個人的な物事に対する視点も。ただ、全体的に前作よりもさらにポジティブな雰囲気が漂っている。今回、どんなアルバムを作りたいのか、自分たちなりのコンセプトとかはあったの?
キース:「特にコロナパンデミックや、そのことがみんなに及ぼす影響とか、スージーのMSとの継続的な闘いについて書くために、アルバムの曲を書いてアレンジしたわけではないんだ。でも、スージーは自分の人生で起こっていることについて書いていて、失業したことや、仕事以外の個人的な闘い、一般的な不安へどう対処するとか、他のことも含めてだけど、たまたまそういったものが今作の中で非公式なテーマになってるんだと思う。」
マット:「この作品は確かにとてもエモーショナルだね。確かに、コロナパンデミックで隔離されている中で俺たちが感じた孤独と憂鬱に触発されたものだろう。でも、そこには未来への希望の光を含んでいると俺も思うよ。」
復活してから、みんなモチベーションがすごい高いよね。それぞれがこのバンドを本当に楽しんでいるっていうことがとても伝わってくる。その原動力ってなんだろう?
スージー:「再結成するまでは、みんなバンドをやりながら生活するっていう状態じゃなかった。でも2016年に再結成した時は、すごい久しぶりにみんなで集まってとても楽しかったし、タイミングがバッチリだったのかも。」
マット:「もう30年来の友達だしね。またPohgohとしてやり始めるって決めたなら、俺たちはまずやめるべきじゃなかったんだって、これが自然に起こったことだって感じたよ。だから、俺たちは今、その失われた時間を取り戻してるって感じかな。」
ブライアン:「俺たちが音楽シーンにおいて共通のバックグラウンドがあって、お互いに賞賛と尊敬の念を抱いているからって俺は思ってる。」
最後に今後の予定や目標があれば教えて。また日本のみんなにメッセージはある?
キース:現時点での俺たちの目標はいたってシンプル。この新しいアルバムを世に送り出し、俺たちがレコーディングを楽しんだのと同じくらい、みんながこのアルバムを気に入ってくれることを願っているよ。このアルバムは俺たちにとって特別な思いがあるんだ。日本のみんなには、出会った人々、友達やファンでいてくれた人たちは、優しくて思いやるのある素晴らしい人たちばかりだった。特に、スージーへの気遣いや配慮には、頭が下がる思いだった。音楽は国境や海を越え、みんなが音楽への愛と情熱で直感的にも感情的にも芯でつながっているんだなあ、と身をもって知る素晴らしい経験をさせてもらいました。」
ブライアン:「またすぐに会いましょう!」
マット:「みんな最高!またすぐに会いたい!」
スージー:「この2年半の間、クリエイティブな音楽を作り続けてこられたことを素直に嬉しく思っている。いつか日本に戻ることができるのであれば、ぜひそのお誘いを受けられるようにって思っているわ。」